扁桃炎への効果が期待できる漢方・小柴胡湯加桔梗石膏

扁桃炎は舌の付け根の両側にある小さなコブ状の扁桃が細菌感染による炎症によって腫れてしまい、飲食の際に激しい痛みを感じるようになります。
38度から40度近い高熱が出て首のリンパが腫れることもあり、場合によっては命に関わるような重症化を引き起こすこともある厄介な病気です。
扁桃炎には急性と慢性の2タイプがあり、急性の症状を1年に4回以上繰り返す場合には慢性扁桃炎と診断されます。
慢性化した場合、扁桃には細菌が常に棲みついているような状態になるため、扁桃切除術が選択されることもあります。

病院で扁桃炎と診断された場合、細菌の種類に合わせた抗菌薬治療が行われますが、抗生剤や消炎鎮痛剤のほか漢方薬が処方されることもあります。
特に扁桃の炎症によって生じる激しい痛みに対しての緩和効果が期待できる小柴胡湯加桔梗石膏は、化学合成された西洋薬の消炎鎮痛剤によって胃腸への副作用が出やすい人も安心して服用できる薬です。
喉の痛みに効く漢方薬では桔梗湯もありますが、小柴胡湯加桔梗石膏のほうが胃腸にやさしく抗生剤とも安心して併用でき、ほかに持病があって飲む薬が多い人にも向いています。
慢性扁桃炎で長期の治療が必要な場合、長く服用するほど効果が出てくる漢方薬は最適と言えます。

小柴胡湯加桔梗石膏は優れた抗炎症作用を持ち、ストレスを緩和する働きも持っている柴胡や、たんを鎮静させて咳を止めたり排膿作用に優れた桔梗、熱を鎮めて体液の産生を促す作用を持った石膏のほか半夏やオウゴンといった9種類の生薬で構成されている薬です。
半夏やオウゴンにも咳やたんを鎮めたり抗炎症作用といった効能があり、免疫機能を整える働きを持った人参や消化機能を整えて、喉の痛みにも効く甘草や身体を温める作用を持った生姜、精神を安定させる役割も果たすタイソウなどがバランス良く作用して、激しい喉の痛みや高熱を伴う扁桃炎のつらい症状を緩和させて行きます。
速効性はないものの、強い副作用が出にくいことが漢方治療の大きなメリットです。

体質によって処方が変わってくる漢方薬

小柴胡湯加桔梗石膏は、扁桃炎による喉の焼けつくような痛みや高熱などを緩和に導く効能を持っていることから、抗生剤と共に治療に役立てられている漢方薬です。
一般的には化学薬品である西洋薬よりも副作用の心配がないと考えられている漢方薬ですが、副作用が皆無というわけではないため、適切な処方を受けることが重要になってきます。
漢方薬には同じ効果効能を持っていながら名称が微妙に違う薬があるのが特徴ですが、患者の体質の違いによって処方が変わってくるためで、体質に合った薬の服用を続けなければ思うような効果がみられない場合があります。

扁桃炎への有効性が期待できる小柴胡湯加桔梗石膏も、患者の体質や体調を示す「証」と呼ばれる分類方法によって適応する人とそうでない人を見分けて処方されるべき薬です。
小柴胡湯加桔梗石膏の適応証は体力が中程度の中間証というタイプの人で、炎症や微熱を持った熱証であることに加え、ミゾオチから胸の脇にかけて張るような感覚があって苦しいといった胸脇苦満がある患者に処方されます。
胸脇苦満は、漢方の診察方法の一つ腹診によって肋骨の下を押すことで抵抗の有無を診たり、ミゾオチから胸の脇一帯に物が詰まったような感覚があるか否かを調べて判断します。

肋骨下部に張りがみられる胸脇苦満があって体力が中程度の患者には向く小柴胡湯加桔梗石膏ですが、冷えを伴う寒証や虚証タイプの人には不向きとされます。
漢方薬は食間に服用することで効果を発揮しやすくなるため服用方法を守らずに食後に飲んでしまうと効果があらわれにくくなったり、食事の内容によっては副作用が出やすくなることもあり、注意が必要です。
小柴胡湯加桔梗石膏の場合、胃腸に負担がかかりやすい桔梗が配合されていることから、食欲不振や下痢がある時には食後に飲むようにするなど、医師に相談して服用方法を変えるほうが良いこともあります。